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2010年01月22日

◆医療の現在 生きていく力 9

野村さんの使用している、高齢者用の“ペン式注射器”は、目盛りを設定する時、1単位毎に、カチッと音がするのです。野村さんは、従来は、左眼(右眼より見える)の近傍に、ペン式注射器の目盛りの部分を持ってきて単位の確認をしていたのです。1単位毎に回すと黒い線が移動し、予め印字されている目盛りと合致した部位が、インスリン液の注入量となるのです。
因みに、当時の野村さんのインスリン量は、朝12単位と夕8単位でした。1単位が0.01ccなので、朝0.12cc、夕0.08ccの注入量でした。

従って、朝の野村さんの日課は、朝食の30分前に、ペン式注射器、使い捨ての針、アルコール綿を用意します。次にペン式注射器に針をねじ込みます。ここまでの操作は野村さんの手が記憶しています。次に、左眼の近傍ではなく、耳の近傍にペン式注射器をもってきて12回,カチッを確認して、単位設定をして、自己注射をするのです。

ペン式注射器の欠点は、インスリン注入の確証がないこと、すなわち空打ちのリスクです。これを回避するために、注射の直前に2単位のため仕打ちをすることになっています。普通は眼で、インスリン液の飛び散るのを確認するのですが、野村さんの場合は、手のひらでインスリンの出ることを確認することになりました。
こうして、一歩一歩、視力に頼らないインスリン自己注射が整ってきましたが、もう一つ問題が残っていました。

次回に続きます。
  


Posted by 杉謙一 at 06:28Comments(0)レッスン