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2010年01月13日

◆医療の現在 生きる力 5

退院後の野村さんの療養生活で少し気がかりな点がありました。視力が少し低下してきていたのです。
糖尿病網膜症で視力が低下するのはよく知られていますが、野村さんの場合は、加齢黄斑変性症からの視力低下でした。ジリジリと視力が低下していくが、格別な治療法はないとの眼科医の見解でした。高齢者用の“ペン式注射器”の目盛りは大きいので、なんとか見えるのですが、将来が案じられました。
野村さんがインスリン自己注射の練習をしていた15年前から、10年程度、時が経過した頃から身近な支援者(多くの場合 家族 特に 嫁の立場の場合が多い)が確保されていない後期高齢者に、外来診療で、インスリン自己注射を導入することには一定のリスクがあるという問題が議論されるようになりました。
様々な障害で、自己注射が続けられなくなるリスクです。特に、後期高齢期になると増えてくる認知障害が問題になってきました。
15年前は、まだそうしたリスクに対する指摘もされていない時代でした。医師もスタッフも怖いもの知らずだったのかもしれません。
こうして、野村さんは、退院し、病院の近くのアパートに移り住み、2週間に1回外来を受診するという療養生活に入ったのです。

次回に続きます。
  


Posted by 杉謙一 at 06:12Comments(0)レッスン