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2010年01月10日

◆医療の現在 生きていく力 3

インスリン療法の開始で、野村さんの血糖値とへモグロビンエーワンシー(血糖の平均値)は改善し、野村さんにとって、月2-3回の血糖検査は従来にも増して待ち遠しい行事となりました。
インスリン療法の開始で、改善したとは言え、その中でも上がったり、下がったりするのが検査の常ですが、しみじみと検査の結果を見ては、「売店で買ったお菓子を食べたのがいかんかったんじゃろうか、寒いから、病院周囲の散歩を控えたせいじゃろうか」と振り返りに熱心な野村さんだったのです。
しかし、こうした日々は長く続きませんでした。医療提供の仕組みが激変していったのです。
長期入院患者をたくさん抱え込むと、診療応酬が低減していき、結果的に病院経営に困難をきたすような診療応酬が導入されたのです。

野村さんには、子供さんがおられます。特別不仲という訳ではありません。正月とお盆には数日、子供さんの所に外泊もする野村さんです。
野村さんにも、退院を勧める肩たたきが回ってきた時、子供さんの所に退院するのだろうと考えていた医師に、ケースワーカーから情報提供を受けました。
子供さんのところに戻るという選択肢はあり得ないという話でした。色々事情があるようですが、子供には迷惑をかけたくないという当時82才の野村さんの強い意思が基本にあったようです。
子供には、迷惑をかけず、生活したという野村さんに、医療としてどう対応するか?

次回に続きます。
  


Posted by 杉謙一 at 06:11Comments(0)レッスン