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2010年01月03日

◆医療の現在 生きていく力 1

「次の方、野村さんどうぞ。」
普通と異なるマイクでの呼び出しをしてしまった○○医師でした。

病院ではある時期まで、マイクを使用した患者名での呼び出しをしていました。
しかし個人情報保護の問題が浮上してから、待合室に響くマイクで個人名を呼ぶのはいかがなものかと言う意見が病院の管理会議で提出されました。
そこで、「次の方」でやってみると、病院設置のご意見箱に「次の方ではわかりにくい」という患者からの意見が寄せられ、また管理会議が召集されと言ったすったもんだの挙句、医師一人一人の判断に任せるという玉虫色の結論になったのです。
○○医師の場合は、基本的に名前を呼ぶ路線なのですが、個人的な歪みが付加されています。
外来診療時の医師の精神状態です。
外来がとても多くて、心の余裕がなくなるといつのまにか「名前路線」から「次の方路線」に変わってしまうのです。
早く終わらせたい、捌きたいという心境に追い詰められと「次の方」になってしまうのです。
冒頭の場面は、本日の外来の多さに追い詰められ、次の方と大きめの声で、言った後、次が野村さんであることを思い出し、「野村さんどうぞ。」と付け加えたのです。
○○医師にとっては一目置かざるを得ない98才の野村さんだったのです。
1912年6月の生まれなので、和暦では明治45年生まれです。

次回に続きます。
  


Posted by 杉謙一 at 14:40Comments(1)レッスン