2010年01月06日

◆医療の現在 生きる力 2

○○医師が野村さんに一目置いている理由のひとつは、インスリン自己注射をしている最高齢の方だからです。勿論○○医師が診療している患者さんの中でと言う意味ですが。
インスリン自己注射というのは、インスリン液、注射器、針などを処方してもらい、患者が自分で自分にインスリン注射をして、血糖をコントロールし、糖尿病の療養をする治療法です。約30年前に保険診療として認められました。

60過ぎに糖尿病を発症した野村さんを、○○医師が始めて診たのは、20年以上前になります。既に、野村さんは70代の後半で、後期高齢期に入っておられました。
当時、病院に入院し、3年経過していた野村さんを担当することになった○○医師だったのです。
長期入院していた野村さんは、糖尿病治療に熱心でした。
20年前、野村さんの入院しておられた病院では、月に2-3回血糖検査が実施されていました。
野村さんは血糖検査の結果を知りたいと強く思っていましたが、医療スタッフは結果を本人に通知することに、熱心ではありませんでした。とても忙しかったのです。
○○医師が担当医になってから、血糖検査の結果を野村さんに報告し、血糖コントロールがうまくいかない原因を話し合うようになったのです。
結果的に経口薬では、十分に下がらない野村さんの血糖問題は、野村さん自身に良く理解され、77才からインスリン療法を開始することになった野村さんだったのです。
長期に病院に入院されるだろうと、野村さんも○○医師も、思い込んでいたので、自己注射ではなく、看護婦の注射によるインスリン療法が開始されたのでした。
○○医師は、それからの医療体制の激変を予想もしていなかったのです。

次回に続きます。


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Posted by 杉謙一 at 21:09│Comments(0)レッスン
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