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2009年10月28日

◆医療の現在 生きていく支え 3

血圧を測りながら、膝の病気(変形性膝関節症)の歴史を聞いていた時、いくつかの病院への入院体験を話し始めた、富田さんだったのです。
10年前は××病院、7年前は△△病院、そして4年前は○○病院と、時間的な流れや記憶は、良好なようで、90歳を間近にして、富田さんの記憶は、良く保たれているようです。
ただ、入院体験についての語りが、ちょっとヘンでした。
病院で、同室者が、自分の財布の金をくすねた、看護師も結託しているようだ、部屋も、地下室みたいな所に移されたと次第にエスカレートしていくのです。
それにつれて、語りは活気を帯び、はてしなく続きそうな気配です。
その時、次の患者さんのカルテが届きました。医師は、追い詰められた心境です。
医師:「大変だったようですね。富田さん。ところで、富田さん、アパートには風呂はあるの?」
突然の、話題転換に、一瞬ポカンとした、富田さんですが、
「いや、ついとらんよ。」と応じてくれました。
このあたりは、素直で善良な方なのです。

医師の咄嗟の言葉も、ヒョイと出たのでした。
前回の診察の時、8月の猛暑の時期です。
エアコンもない話、窓を開けると、蚊が入るので、蚊帳を吊る話、古い扇風機は時々使用する、電気代の節約のため、などを聞いていました。
この時期 風呂はどうなっているのだろうと気になっていたのです。
気がかりが、フと、言葉で出たのです。
富田さん:「そうそう その風呂のことたい。」
パッと富田さんの、顔が明るくなりました。
心の向きが転換したのです

次回に続きます。
  


Posted by 杉謙一 at 06:28Comments(0)レッスン