2010年09月05日

◆食生活2-19 ビタミンと微量ミネラル

例えばビタミンD中毒(過剰症)という病態があります。
多量のビタミンDを飲み続けると血液中のカルシウムが上昇し、遂には昏睡状態に陥ります。

特定の物質が、過剰で健康障害が生じることを、中毒と言いますが、医学―医療の重要な1分野です。

最近、ホメオパチーが話題になっています。
ただの砂糖玉が、あたかも効果あるもののように投与されていることに、日本学術会議が警鐘を鳴らしたことが、メディアでの喧騒の引き金になりました。
ホメオパチーは、19世紀の前半、ドイツの医師であるハーネマンが創始したものです。
しかし、ホメオパチーは、無害の砂糖玉どころか、中毒の問題から、構想されたものでした。
たくさんの物質が引き起こした、様々の中毒症状を詳細に観察し、記述することから構想された治療理論なのです。
ただ、特定の物質を何回も希釈するので、最後はただの砂糖玉だという訳です。
元素から世界ができているとする近代科学とは相容れません。

因みに、メルクマニュアルという医学書を見ると、「中毒」という1節があります。
そこには、特定の中毒物質として、薬(例えばアスピリンで知られるアセチルサリチル酸)
からタバコのニコチンまで、様々な特定物質が列記されています。
ビタミンだから身体に良いだろう 身体に良いビタミンは たくさん摂った方が良いだろうという 発想は時に、健康を害することもあるのです。
過ぎたるは及ばざるが如し なのです。

脱線しましたが、ビタミンAの前駆物質であるβ―カロテンを、いくら食べてもビタミンA中毒(過剰症)にならないというのは、優れた利点なのです。


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Posted by 杉謙一 at 18:25│Comments(1)養生
この記事へのコメント
杉先生 こんにちは、確かにビタミンは健康に良いという認識を持ちやすいですね。私も毎朝夕サプリメントを含めたビタミン剤をなにか飲んでいますね。だからどうこうという事もないのですが、習慣となっていることはたしかです。
中毒にもなることですので気をつけなければなりませんね。
Posted by ミック研究所佐藤 at 2010年09月06日 09:51
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