2009年11月17日

◆医療の現在 食事療法あれこれ 5

ここで、どうしても脳細胞の問題が登場します。
脳細胞は、基本的にブドウ糖しか、利用しないのだそうです。脂肪酸は利用しない。
しかも1日に100gを遥かにに超えるブドウ糖を必要とするとのこと。
脳細胞が、生きていくためには、血液中に一定のブドウ糖が溶け込んでいることが必須なのです。
これをブドウ糖の濃度→血糖値と呼んでいます。
血糖値70mg/dl以下は “低血糖”とされています。
“低血糖症”とも言い、病的状態なのです。この時点では、まだ 脳細胞はけなげに頑張っていますが、血糖値30mg/dlになってくると、意識がモーローとして、殆どのヒトが昏睡状態に陥ると言われます。
つまり、ヒトにとって、血糖値を70mg/dl以上に維持しておくのは、生きる上での必須事項なのです。一定の血圧を維持しておくのが、必須事項であるように。

従って、身体としては、体脂肪や体蛋白質を取り崩して、代謝系をフル回転して、必死でブドウ糖を作る(糖新生)ことを強いられるのです。
結果的に体脂肪が減るのは、本来の狙い通り。体蛋白質 即ち 筋肉が減るのは、筋トレで食い止めようということでしょう。

私の想像では、身体は悲鳴を上げているのではないか。
このダイエットを実践している方は、体重計の針や引き絞った自分の風貌を見て、ニッコリしたとしても。

ようやくチャンポンが来ました。
次回に続きます。


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Posted by 杉謙一 at 05:54│Comments(0)診療の徒然に
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