2009年10月21日

◆古くて新しい問題 酒。 5

ナイーブという言葉があります。
辞書的には「無邪気、素朴、うぶ、世間知らず,幼稚」などが列記されています。
ナイーブと逆の語意を持つ言葉としては、「老獪な、したたかな、鍛え抜かれた、 悪意を持った」などが思い浮かびます。

私の診療経験から反省すると、3段階あるのではないかと思われます。

最初のナイーブな段階が、昨日書いたようなケースです。
社会の第一線で、活躍していいて、態度 物腰 申し分ない方がだが、血糖と血圧のコントロールが悪い、飲酒習慣はあるようだが、仕事の付き合いで仕方ない面もあるし、という理解で、事実としての飲酒量さえ把握できてないことの振り返りができていない。
ナイーブな段階の医師です。酒がヒトに持つ意味の深さを洞察することからまだ遠い。

何回か、苦い目に会うと、次の段階に移行します。
酒問題は、隠れた大きな健康問題だと 心に刻まれるのです。
ややこしい問題だとは、思うのですが、距離を置いてイヤだなと遠巻きにしている感じでしょうか。
内科で、10年以上の臨床経験を積むと、多くの場合 この段階に位置しているように思います。
患者が酒を飲むことに、否定的になり、許可する時は、シブシブと許可するという、態度になるという段階です。

次の段階は、例えば、アルコール依存症 いわゆるアル中の診療に従事している医師です。
ナイーブからもっとも遠い所に立っているのかもしれません。

 次回に続きます。


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Posted by 杉謙一 at 06:43│Comments(0)診療の徒然に
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