2009年10月13日

◆古くて新しい問題 酒 1

或る日の診察室での会話

医師:「ところで、田中さん、タバコは去年、止めたと前回の時、伺いましたね。」
患者:「そうです。結構、苦労しましたがね。」
医師:「お酒のことを 聞き忘れていたので教えてください。飲まれますかね?」
患者:「そこそこにね、嫌いな方じゃないですよ。」
医師:「毎日?」
患者:「女房が、どこかで、吹き込まれてきて、休肝日って、 煩くてね。」
医師:「自宅で、晩酌タイプですか。それとも外で?」
患者:「季節によってね。飲みに行く機会が多くなると、次々と集中して。不思議だよね」
医師:「量は?」
患者:「最初、ビールで 喉を潤して。少しだよね。小さい奴。その後 焼酎を。なるべく薄くしてね」

結局、具体的なアルコール摂取量は、教えてもらえない。
よくあるパターンです。

田中さんが、自宅で晩酌する時、プレミアム500ml(アルコール5.5%)を、軽く飲み干し、奥さんの冷たい視線をものともせず、手製の濃い目の焼酎(25度)を2合飲んでいることを医師が、知ることは、とても困難な課題なのです。

因みに、上記の晩酌を、アルコールに換算すると、117.5mlのアルコールです。
平均、週3日は、外で飲む田中さんですが、その際は、晩酌のアルコールより1.5倍は飲んでしまう田中さんです。

肝臓病の専門家曰く
“20年間の間、アルコールを毎日100g摂取していると、かなりの人が アルコール性肝硬変になる”
100gのアルコールを換算すると125mlのアルコールです。
実は、田中さんの飲酒習慣は、健康問題として深刻だったのです。

次回に続きます。


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Posted by 杉謙一 at 06:08│Comments(0)診療の徒然に
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