2008年08月01日

◆医療の現在 メtボ健診の正体

特定健診、特定保健指導は“メタボ健診”のニックネーム?で、相当認知されてきました。
健診自体はなじみあることです。臍の周りを測ったりするそうだけど、太ってる俺達はだんだん肩身狭くなる程度の受け取りかたをしている方も多いかもしれません。それにしても最近、よく聞くな、メタボ、メタボってと感じている方も多いでしょう。
しかし、今回の制度の目玉は健診ではなく保健指導なのです。従来の健診でも、検査結果の後に、生活指導がついていいました。“カロリー控えめに”とか“もっと歩くように”とか。もっと詳しく知りたい人、ろくに読まない人など様々でしょうが、最初に眼が行くのは二次検査の有無とか、要治療有無で これらがパスしているとまずは安心、あとは生活指導を読み流してというパターンが多かったのではないでしょうか。
まだ、健診段階で、保健指導は本格化していませんが、本丸は保健指導なのです。保健指導の対象者を特定するための。第一段階としての健診なのです。
健診を受けると、情報提供対象者、動機付け対象者、支援積極的支援対象者の3群の層別化され、標準化された介入(保健指導)を行い、1年後の健診で効果を判定し、これを毎年繰り返します。
今回の、制度の、責任者は保険者なので、健診・保健指導についての電子化された情報は、保険者に集約されます。保健指導の対象となっていた、人が要治療となって、医療機関で服薬を開始すると、医療機関、医療内容一覧を“診療報酬明細書”に記載して、保険者に請求する訳ですが、この“診療報酬明細書”も将来、電子化されることが決まっています。
となると、保険者には、一人一人の保健指導段階から、服薬による本格的な治療までの一連の個人情報が集約され、被保険者は、丸裸状態で健康管理下に置かれるということです。
文字通り、標本と化すのです。
IT技術の下、膨大な標本が集積され、介入と効果を判定し、より健康を増進し、健康寿命を延伸する。これは素晴らしいことなのでしょうか?
臍の周囲が85cm以上あり、タバコを止めない男性は、サラリーマンとしての基本に欠けているのでしょうか。
やや、強迫的ではないでしょうか。少し、息苦しくないでしょうか。
従来、保険者は被保険者と雇用者から保険料を徴収し、被保険者に医療を現物給付していいました。給付についての判断は、医療機関に一任し、医師と被保険者は、医師―患者関係の中で、友好的な治療関係を維持してきました。そこでの、関係が癒すエネルギー源となっていた面もあったと思います。その医師―患者関係も、この10年、深刻な信頼の低下が見られますが。
そうした中での、特定健診・特定保健指導の開始は、医療へも大きなインパクトを持つと思われます。
こうした、新しい予防・医療体制に普通の人が感じる息苦しさの正体、患者中心の医療との関係などを次回もう少し考えてみます。



Posted by 杉謙一 at 06:44│Comments(0)
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