2008年04月28日

◆医療の現在・原因と結果

1個の病気には1個の原因(病因)が1対1で対応するという考え方を“医学における特定病因論”といいます。火傷、外傷などは、誰もがすぐ理解できます。
内科領域での画期的な事件は感染症という分野の確立でした。コッホという有名な医師が結核という病気の病因が結核菌であることを突き止めたのです。病因として特定する条件をコッホの4原則として整理しました。19世紀半ばです。その考えのもとに、感染症学は進歩し、20世紀前半の抗生物質の発見も相俟って、近代医学は圧倒的な信頼を勝ち得たのです。
それから100年近くが経過し、ヒトも社会も病気もとても複雑になって、特定病因論の有効性はかなり低下していると思われますが、近代医学にとって、大きな支えなのです。
身体科医師がストレスを苦手とする理由の一つだと愚考します。
では、精神科医師はどうなのか? 次回考えます。



Posted by 杉謙一 at 06:20│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。