医療の現在 食事療法 あれこれ 11

杉謙一

2009年12月01日 06:08

勿論、エネルギーと栄養素に基づく近代西洋の栄養学をベースとした食事療法です。

考えてみると、1885年の「医術開業試験規則」 即ち 西洋近代医学が正統な医学・医療であるとされて、半世紀後に東京大学病院の厨房で、食事療法が導入されたのです。
導入したところ、治療食の指示は、なかなか出なかったのです。
食品成分別管理の元になる栄養学に対して、医師の関心は低かったのです。現代においても医師の主要な関心は、“診断と治療”です。薬・処置・手術に興味を引かれる傾向があります。
医師が治療食の指示を出すような 工夫の一つが、病名と治療食をひも付きにすることだったという話です。
糖尿病―糖尿病食  膵炎―膵炎食 のような。

義務教育で習う、食事と栄養の基本 カロリー(エネルギ-)、3大栄養素、ビタミン、ミネラルといったことを基本として、日々の食べることがと栄養学と混じりあい、向こうに、病気の治療食を展望するという 連続性が欠けているのです。
他方、マクロビオティックに代表される、近代栄養学とは、別の観点に立つ、食養生が根強く支持され、更に、様々なダイエット、食にまつわる健康法が、呈示される現在です。
「博多あれこれ」の“私のダイエット法”のように。

食べる 喰らう という ヒトの原点に係る食事療法。
近代栄養学に基づく、 “栄養成分別食事管理”という分析的知識を活用しつつ、一人一人が、日々 食べることにどうアプローチするか。
とても奥が深い “食事療法”だと思います。

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