2009年10月24日
◆古くて新しい問題 酒。7
“自助グループ”という考え方があります。同じ悩みを抱えた人々が、自発的に集まって、経験を共有することで、自分が変化していく、エネルギーを産みだそうとする考え方です。
アルコール依存症の悩みを抱えた人たちの集まりが、自助グループの発端だそうです。
「酒を飲む」という経験を繰り返して、深い場所まで、降りていった人同士の、相互の遣り取りは、確かに問題の核心に触れそうに思われます。
自分自身は、楽しく 表面を撫でただけの飲酒体験しか持たない医師の助言に較べると、はるかに、問題の核心に肉迫できそうです。
最後は、自己破壊、家庭崩壊に到ってしまうこともあるアルコール依存症の方々ですが、
飲酒体験(酒の道?)という点では、医師の先を行く先達?でもあるとも言えるのです。
アルコール代謝の化学とか 血中アルコール濃度と症状の関係とか、アルコール依存の診断基準とか、アルコール依存になる30%の人がアルコール性肝硬変になるとか そうしたことは知らなくても、酒の魅力とか、その魅力の味わい方とか、遂には、悪魔のような吸引力に吸い寄せられる時の快感とか、そうした飲酒体験についてはよく知っているのです。
酒は飲むものか。
酒(アルコール)は、認識されるべきものか
前回、「医師自身の酒に関する経験と、患者さんの経験が切り結ぶような治療関係」と書きましたが 改めて、簡単にできることではないと考えます。
自助グループの縁の下の力持ちの役割に甘んじる方が医師の役割を果たすのに有効なのかもしれません。
“医師の役割”とは、アルコールで自己破壊に向う方を、引き戻すことです。
“有効”とは、引き戻す率の高さを競うということです。
やはり、アルコール依存の方の飲酒体験と医師の飲酒体験が切り結ぶのはむつかしそうです。
酒、古くて新しい健康問題ではあります。
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Posted by 杉謙一 at 06:51│Comments(0)
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