サプリ考 4

杉謙一

2011年04月10日 06:33

機能性食品とはどんなものか
例えば、カツオの中には、魚肉ペプチドが、微量 含まれています。
微量の成分を、測定する、それを濃縮することが、可能になった背景には、食品化学技術の展開があることは言うまでもありません。

「ペプチドエースつぶタイプ」という、トクホ(特定保健食品)があります。
「かつお節から抽出した かつお節オリゴペプチドが高めの血圧に優しく穏やかに働きかけます。」というコピーで宣伝されています。
180粒で約1ヶ月と記載されているので、1日6粒ということになります。
形状は、錠剤と同じです。
商品説明には、かつお節オリゴペプチドが、ヒトの体内の昇圧物質の酵素反応を抑制することで、血圧上昇を抑えるという図解入りの説明もあります。
国が認めた特定保健食品であることも書いてあります。

他方 ロンゲスという降圧薬があります。
薬事法に基づく添付文書には、定型通り 用法 用量 が記載されています。
「医師の処方せんにより使用すること」と記載されています。

ロンゲスという降圧薬は、やはり ヒトの体内の昇圧物質の酵素反応を抑制することで、血圧上昇を抑える薬なのです。
一方は食品から精製したモノ。他方は化学的に合成したモノと その点は異なるのですが、働く仕組みは、酷似しているのです。

カツオに魚肉ペプチドがある→魚肉ペプチドは血圧を下げるようだ→魚肉ペプチドを高濃度で抽出しよう→ヒトに飲んでもらって血圧が下がるかを調べよう→データを厚労省に提出してトクホの認定を受けよう

こうした流れで、トクホは作られるのです。
トクホは、ある意味で、機能性食品の、もっとも進化した形と言えるかもしれません。

次回に続きます。 

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