養生の実際 ストレスとストレッサー 1-4

杉謙一

2010年04月22日 17:46

“ストレス”を「自分にとって不快な状態」まで、ボカしてしまうと、要はストレスが悪いのだという、同語反復の世界に退化してしまうので、ストレッサー(ストレス因)に注目します。

以前聞いた話です。
ネズミでの実験ですが、ネズミに不快な電気刺激を与えて、ネズミにできる胃潰瘍を観察するという実験モデルです。
もう1段階 工夫された実験モデルは、電気刺激に曝されたネズミの悲鳴を、すぐ隣のカゴで、頻回に聞かされた別のネズミに胃潰瘍ができるかどうかを観察するのだそうです。動物愛護の方からは怒られそうな実験ですが。

結果は、忘れましたが、電気刺激というストレッサーと仲間の悲鳴を頻繁に聞かされるというストレッサーを対比すると、現代社会のストレッサーのイメージが描けます。
直接的な外力ではなく、間接的なのです。従って、ストレッサーに曝された方は、様々な対応を選択することを強いられ、選択に対して、更にストレッサーが負荷されというプロセスが続いていくという感じでしょうか。
その中で、様々な 思いや感情が渦巻くのです。 
この、共通の体験が、「ストレスね わかる、わかる」という言い方を支えているようにも思うのですが。

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